更新:2025年7月5日
森友学園問題に早期から着目し、導火線に火をつけた男:豊中市会議員・木村真。そして赤木さん自死についての刑事告発を担った正義の敏腕弁護士:辻恵。政治/行政/司法の腐敗、権力犯罪に毅然と立ち向かう2名の対談です!
背景
- 森友学園は、籠池泰典氏が理事長を務めていた学校法人。
- 同法人運営の塚本幼稚園(大阪市淀川区、1950年開設 ~ 2021年休園・解体)では、幼児に「教育勅語」や「安倍首相がんばれ!」と唱和させるなどの教育を行っていた1
- これに感銘を受けた安倍昭恵氏2 は、森友学園、籠池夫妻と交流を深める3
- 安倍昭恵氏が名誉校長を務める小学校「瑞穂の國記念小學院」建設を計画4
動画(2025/6/18 収録)
[ テロップ誤記訂正 ]
0:44 ×地方の不正を→○司法の不正を
今日に至るダイジェスト
- 2016年6月、国が森友学園と大阪府豊中市の国有地の売買契約を締結。(鑑定価格9億5600万円のところ、1億3400万円で払い下げ。ゴミが埋まっているなどの理由で8億円以上も値引きされたが、その根拠が不透明)5
- 2017年2月8日、木村真氏(豊中市会議員)が情報公開を求める → 黒塗りで開示 → 木村氏は訴訟を起こす → 森友学園の疑惑が表面化6
- 2017年2月17日、衆議院予算委員会で安倍首相(当時)が「私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と答弁7
- 2017年2月22日、菅官房長官(当時)が首相官邸に佐川氏らを呼び面談。
- 2017年2月23日、安倍昭恵氏が名誉校長を辞任する旨が伝えられる。
- 2017年2月24日、衆議院予算委員会で佐川宣寿・財務省理財局長(当時)が「記録は破棄した」旨を述べ、財務省は(2月26日より)関係文書を改ざんし始めた。
- (近畿財務局職員:赤木俊夫さんは、この不正な公文書改ざんを上司に強要された。真面目な公務員であった俊夫さんは、犯罪に加担してしまったことによる良心の呵責、自らに罪が着せられて尻尾切りのようにされたこと、などなどから鬱病を発症。休職を余儀なくされた。そして2018年3月7日、自ら命を絶った。俊夫さんはノートとPC内に記録を残していた8 )
- 2018年5月31日、大阪地検は佐川氏ら(背任罪)を不起訴に。
- 2020年、赤木雅子さん(故・俊夫さん夫人)が佐川理財局長と国を相手に損害賠償請求、証拠開示を求める → 2021年12月、国は「認諾」し、損害賠償金を支払うが証拠は出さないという、極めて異例といえる措置をとった。
- 佐川氏に対する請求は「国の機関としてやったことであり、個人は責任を問われない」として棄却。
- 2022年、辻弁護士は赤木雅子さん側に立ち「虚偽公文書作成罪、同行使罪」で、佐川氏を刑事告発9。しかし東京地検は動かず。
- 行政文書の開示を求めていた裁判で、2023年9月14日、大阪地裁は不開示が妥当だという請求棄却の判決を出していた。ところが、2025年1月30日、大阪高裁は関係文書の開示を命じた。石破首相は上告せず、判決が確定した。
- これを受け、2025年4月、文書の第一弾が開示された。しかしながら、具体的な売買に関する部分、関係者の名前が出てくる部分が欠落。欠落部分の文書は破棄されて存在しないとされるが … 10
動画発言より大意要約
※ 大意要約です。「文字起こし」ではありません。詳細は動画本編をご覧ください。
木村
- 1ヘクタール近い国有地。豊中市民は使途が気になっていた。それが「幼児に教育勅語を暗唱させるようなトンデモ極右教育」を行う、森友学園の小学校建設用地として払い下げられたことに驚き。
- 森友学園・籠池氏は日本会議11の関係者であることが判明。名誉校長が安倍昭恵氏となると政権直結、国有地の(異常な値引きを伴う)払い下げには裏があるのでは、と調査・統計を取った。
- 2016年5月ごろ、近畿財務局に電話し、赤木俊夫さんの直属の上司にあたる池田靖氏とも会話。(タイミング的には、国と森友学園が売買契約を詰めている真っ最中)
辻
- 売買契約以前の2015年9月3日、安倍首相が財務省の岡本官房長・迫田理財局長と面会。翌9月4日、国会が安保法制法案審議で紛糾するなかにもかかわらず、安倍首相は大阪に出張 ~ 公明党の冬柴元国務大臣の次男、コンサル会社経営者と会食。9月5日、昭恵氏が森友学園・塚本幼稚園で講演。安倍夫妻の関与は明らか。
木村
- 歪んだ愛国教育を行う私立小学校建設用地として、国有地のいびつな払い下げを行ったという真実を隠すために、(財務省主導で)公文書改ざんまでやらかしてしまった。政権(および安倍夫妻)が肩入れしたこと(が問題の根)だったと見ている。
辻
- そもそも、国有地が民間に払い下げられるということは稀。しかも、9億以上の土地が1億少々にまで値下げされるのはおかしな話。それを(安倍首相が予算委員会で)「私や妻が関与していたら首相も国会議員も辞める」と発言した → 財務省は大慌てで政権を守らなきゃいけない、権力の私物化を擁護するように官僚が動く(公文書改ざんという犯罪にまで手を染め、シラを切りとおす)というのは過去に例を見ない(悪質さである)。
木村
- 当初、国有地払い下げ交渉における森友学園の立場は良いものではなかった。ところが、籠池夫妻・安倍昭恵氏との3ショット写真を見せた途端に「神風が吹いた(by 籠池氏)」→ 手続きはスムーズに進むようになり、森友学園の支払い能力に合わせて値引きがなされる運びとなった。
- (正々堂々説明のできないオカシナことをやっているため)国会では虚偽答弁が繰り返され、見られたら具合の悪い文書は破棄し、公文書の改ざんまでやらかした。
- 一言で言えば「権力犯罪」に尽きる。
辻
- おっしゃる通り。ここまで国を私物化するような権力者は(過去には)いなかった。
- 安倍政治が礼賛されたりもするが、教育勅語など自分の思い込みの価値観で独断専行に進み、お友達だけを優遇する。加計学園も桜を見る会も含め、公的な行事も含めて全部私物化している。
- (安倍政権下の)国政は、戦後の民主主義が全部壊れるような事態だった。
木村
- 内閣人事局の使い方も、あんな(私物化した、恣意的な)使い方は(制度的に)想定されていなかった。安倍晋三がやらかしたことは本当にデタラメ。
辻
- 「権力は腐敗する」という前提で、三権分立、立法・行政(・司法)が牽制し合って腐敗を防ぐように制度設計されていた。それが、ひとりの突出した権力者の意向で全部ガラガラと崩された。
- この問題を解明・解決できる政権でなければ、国民のための政権とは言えない。
木村
- 2017年2月17日、安倍氏の「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」との答弁。最初に文書改ざんが行われたのは2月26日。その真ん中・2月22日に、当時の菅官房長官が首相官邸に佐川氏らを呼び面談したことは、関係者皆が認めている事実。その場で文書改ざんの打ち合わせがなされたことが濃厚であるが、メモなどの証拠は出ていない。
- 安倍政権下の10年ほどの間に、この国の統治機構がほぼ根っこのところまで腐ってしまったという恐怖を感じる。
辻
- 底が抜けてますよ。民主主義の。
木村
- 全てを明るみに出すためには、政権交代しかない。
辻
- 徹底究明するために、根性を持った人間が立たないと。
- 今の政権・官僚のやっていることは、秦の始皇帝の焚書坑儒と同じ。
── 詳細は、是非動画本編をご覧ください!
SNSの声
クロ現見て、怒りでいっぱいです。安倍総理の「私と妻はかかわっていない。かかわっていたなら国会議員も総理大臣も辞めますよ!」関わっていたことは間違いないと思います。総理夫妻を守るために嘘を積み重ねたのだと思います。まだ伏せられた部分真実が明らかになりますように!頑張ってください。
— さといも (@satoimo5) June 26, 2025
国葬を行いアンタッチャブルにしようとしたことにも怒りを感じています。
— pico (@pico3355) June 26, 2025
つじさん、真実を明らかにしてください。よろしくお願いします🙇♀️
参考記事
森友学園問題を巡る裁判 わかりやすく知る経緯まとめ《大阪高裁が「不開示決定の取り消し」を国に命じるまで》- 文春オンライン
- 森友学園:系列幼稚園で「安倍首相がんばれ」- 毎日新聞 ↩︎
- 安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 – 産経新聞 ↩︎
- こんなにある「森友」&昭恵氏 深い関係 – しんぶん赤旗 ↩︎
- 森友問題の新たな物証発見 安倍昭恵氏のために2つの「名誉校長室」が作られていた ↩︎
- 森友問題火付け役、木村真・豊中市議に聞く~森友・加計学園問題、疑惑のポイント(下)- アジアプレス・ネットワーク ↩︎
- 財務省「森友学園」交渉記録の情報公開請求、提訴(第一次訴訟)、請求の変更、控訴の理由・目的 – 政府の公文書のあり方を問う弁護士・研究者の会 ↩︎
- 参議院 質問主意書 質問第二四一号 – 小西洋之氏 ↩︎
- 森友文書 改ざん後も うそを重ねるよう強いられた経緯明らかに – NHK ↩︎
- 赤木雅子さん「誓いの涙」佐川元局長を刑事告発 – 週刊文春 ↩︎
- 徹底検証 森友文書開示(2)浮かび上がる新たな闇 – クローズアップ現代:NHK+ ↩︎
- 憲法改正を訴える日本会議の「危ない」正体 – 東洋経済オンライン ↩︎
そして今、佐川氏らは ──
【スクープ撮】森友改ざん指示 佐川宣寿元国税庁長官が自民親密企業の顧問になっていた《加担した官僚は次々出世、優雅な天下り続出》- 週刊文春