2025参院選を前に、多くの党が何らかの「消費税減税」を公約として打ち出しており、「積極財政」を唱える党も、れいわだけではなくなりました。

2019年に山本太郎代表が旗揚げした れいわ新選組 は、結党当初から「消費税廃止」「積極的な財政出動による景気の底上げ」を掲げていたわけですが、当時は荒唐無稽だと見なされることがほとんどだったと記憶しています。時代が追いついてきたのでしょうか。

消費税増税の流れを作った張本人である、野田佳彦氏率いる 立憲民主党 まで、限定的とはいえ減税を唱える方向に転換。つい先日まで(4月12日の枝野氏発言1に象徴されるように)消費税減税には否定的だったはずですが ・・・

「減税ポピュリズムに走りたい人は、別の党をつくればいい」。立民の枝野幸男最高顧問は12日、地元さいたま市での講演で、党内の減税派をけん制し、国民民主などの減税論を「参院選目当てとしかいいようがない」と言い放った。

2025/4/16 減税派は立憲民主党から出て行け? 枝野幸男氏の批判がガチすぎる 「消費税」めぐりカオスな与野党の状況 – 東京新聞

緊縮派の手のひら返しは、一見するとそれこそ「選挙前だけの釣り文句・ポピュリズム」であるようにも見えなくもありません。

── 背景に何があったのでしょう?

投票前にシッカリと情報収集をして、見定めたい有権者の皆様へ。

同じ気持ちをもつ有権者のひとり* として、ここに至る経緯・動向などを(それなりに長いスパンで)追い続けてきました。改めて、筆者自身の勉強・頭の整理も兼ねて以下に記します。

[*本稿はボランティアによる寄稿です]

ファーストペンギン:辻恵

─── 2012年:野田政権下

「国民のため」信念を貫いた正義漢

が存在したことを ・・・ どれほどの有権者が知っているでしょうか?

  • 野田佳彦内閣(2011~2012年)のもと、消費税を5%→8%→10%へと段階的に引き上げる消費税増税法案が可決2。これは公約違反であり、国民の期待を裏切るものでした。
  • 政権与党メンバーであった辻恵は、その消費税増税法案に対して一番に反対票を投じました。そして国民の期待を無為にする党に留まることを良しとせず、潔く離党

消費税増税に敢然とノーを突き付け、飛び出した

辻恵は、消費税増税阻止、減税・消費税廃止の流れにおける、政界の

ファーストペンギン3

といえます。

「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。日本でも、NHKの朝の連続ドラマでそのエピソードが紹介され、広く一般に知られるようになりました。

ファーストペンギンとは – 日本の人事部

そして、消費税増税法案に反対したものの、力及ばず止められなかったことことを国民にお詫びしています。

民主党政権の「国民に対する裏切り」

野田政権は、マニフェストを破り、消費税増税を決めてしまいました。このときは執行部のみならず、多くの民主党議員が「プライマリーバランスの健全化を」「将来に借金を回してはいけない」という財務省のレクチャーに篭絡されたことが、増税法案可決の決め手となったようです。

結果、国民の心は一気に離れ、民主党政権は崩壊しました。

民主党政権への失望、裏切られたという反動で「政権交代アレルギー」「消去法で自民」という人々が増えたというのは確実にあると思われ、今なお尾を引く根深い問題といえます。

▲ 画像:(動画より)当時、民主党政権の一員であった辻恵は「国民の皆さんに失望を与えた」「みんなが期待した政権交代を裏切るもの」と

▼ 動画: 国民に対する裏切り、許されざる行為について語っています

様々な策謀が渦巻く永田町。辻氏のもとにも懐柔の打診があったであろうことは想像に難くありません。しかしそこは、人権派弁護士として・政治家として権力の不条理に対峙し続け「困っている人々を助ける」ことをライフワークとしている辻さん。保身のために魂を売る選択肢はありえませんでした。

財務省に篭絡され、国民の期待を裏切るような党ではダメだ。徹頭徹尾、国民の生活を本位にした政治を行う勢力を作らなければ ─── 民主党離党後、辻恵は模索を続けます。

山本太郎との出会い

消費税増税が日本の景気を減退させ、庶民を苦しめていることに早くから着目していた政治家は、他にもいました。そう、山本太郎です。小沢一郎氏との自由党を経て、2019年に旗揚げした れいわ新選組 は、結党当初から「消費税廃止」を掲げていました。

山本太郎さんもまた、まごうことなき「ファーストペンギン」でしょう。反原発発言で芸能界を追われ、政治家に転身。たったひとりで始めて、憲政史上類を見ない本物の市民政党(バックに特定の組織や支援団体をもたない、善意の市民に支えられた草の根政党)を作り、国政政党にまで押し上げた、唯一無二の政治家です。

多くのタレント出身政治家が「その知名度を既成政党に利用される形で(議席確保要員として)出馬する」ケースが多いのとは真逆。反骨・気骨の塊と言えます。

山本太郎の言動に感銘を受けた辻恵は「まさに我が意を得たり!」と、れいわ新選組に合流。

れいわ新選組の法律顧問的な役割、政策委員としての務めを果たしつつ、自らも候補者として、この参院選に愛知選挙区から立っています。

そう、

  1. 皆さんの生活を守る。人権を守る。
  2. 正義を貫き不条理を許さない。
  3. 腐った政治を根本から変える。

ために。

証言

SNSの声

阪口直人氏、民主党時代の辻氏を語る

つじ恵先生と私の関係をお話すると、実は民主党で衆議院議員をしていた時の大先輩でした。

つじ先生の一番の私の思い出はですね ・・・ 2012年「社会保障と税の一体改革」ということで、連日、我々は「消費税を5%から10%に上げるべきかどうか」という議論をしていました。

当時私は、「未来のためには仕方がない」と、10%に上げることが衆議院議員の責任なんだという、まさに財務省にコロッと騙されて、こんな思いを持っていたんですが

そこに敢然と反対をして、そして結果的に党を離れることになっても信念の政策を貫いたのが、つじ恵さん。すごいことだと思います。

このことひとつをとってもですね、つじさんの先見の明というよりは、もうこれは積み上げたアカデミックな能力の高さと、そして何よりも、信念の強さがお分かりになると思います。

阪口さん曰く「辻さんは、マザーテレサのような方」とも。
(※ 実際に会ったマザーテレサは、強くて信念のある人物だったそうです)

れいわに来てから …

れいわ新選組には、(つじ恵をはじめ)元・民主党、元・立憲民主党のメンバーが複数在籍しています。民主党が政権を担っていた時期のことから、2021年衆院選時「消費税5%へ減税」の旗のもと、一度は実現した(後に形骸化した)野党共闘のこと、そして民主党/立憲民主党の内情的なものまで、紆余曲折 … その反省を糧にしています。

枷(かせ)が外れ、堂々と減税を主張

個性豊かなメンバーですが、皆に共通している点として「れいわに来てからは、遠慮なく・堂々と減税を主張できている」ことが挙げれられます。

国民のために減税を唱えたい議員にとっては、バックに特定の組織・支持母体を持たない、真の意味での市民による草の根政党:れいわ新選組は、うってつけの新天地。

前項「証言」でスピーチを紹介した、阪口直人議員(現・れいわ副幹事長)もその一人です。立憲時代:2021年衆院選当時のことを話してくれました。

野党共闘4で消費税5%への減税を掲げた*。私自身は、当時の枝野代表にOKをもらい「消費税ゼロ」を訴えた。にもかかわらず、選挙後に枝野代表は「消費税減税を掲げたのは間違いだった5」と言い出し、梯子を外されてしまった。

* 消費税5%への減税を妥結点として、野党4党(立憲・共産・社民・れいわ)が共闘、小選挙区で候補者を一本化。なおこのとき、れいわは4割の候補者をおろすという大幅な譲歩6をしている。

れいわに来てから、立憲時代を振り返る阪口さんのXポスト

立憲議員の忸怩(じくじ)たる思い

阪口さん曰く、

── 実は(ご自身のみならず)

  • 立憲内には、消費税減税派が沢山いる
  • しかしそれは、執行部の方針とは相容れない
  • 多くの立憲議員は、忸怩たる思いを抱えているのではないか

とのこと。

これはどういうニュアンスなのでしょうか?

内外の証言・資料をもとに、その実を解きほぐしてゆきたく思います。

ホントは減税したい? 立憲議員たち

立憲民主党は、執行部が(財務省のレクチャーに沿った)「緊縮財政」派として知られています。支持母体である連合が消費税減税に難を示している7ことも、緊縮方向を決定づけている要因でしょう。

しかしながら、内部には減税派(隠れ減税派)も多いと。

やや激しい言葉で表出したのが、冒頭で紹介した「4.12枝野氏発言:減税ポピュリズム派は出ていけ」であると思われます。

減税 = ポピュリズム?

果たして、減税はポピュリズムなのでしょうか?

選挙前だけ、耳ざわりのよい釣り文句として用いるなら、それはポピュリズムでしょう。

しかしながら、しっかりとした経済理論・貨幣観に立脚し、多面的な分析を経て練られた政策としての減税は、決してポピュリズムなどではありません。憂国の志士たちによる、心からの処方箋です。

2019年、れいわ新選組・山本太郎代表 + 立憲民主党・馬淵澄夫氏 によって立ち上げられた、「消費税減税研究会8」。馬淵さんの言葉を借りましょう。

逆進性を伴う消費税増税の是非を問い、税制全体のあり方を考えるため、広く有識者の方も交えた検討を行って参りたいと考えています。山本代表とは消費税減税という方向で意見が一致しており、ともに立ち上げることで、この研究会が広く国民の皆さんのくらしに資する、有意義なものとなると確信しています。

政治の役割は、国民の皆さんの「くらし」、つまり「メシを食う」というあたりまえの営みを守ることです。そのためにまず景気を回復させる、そしてお一人おひとりのささやかな幸せを守る、その強い決意で臨んで参ります。

2019/10/25 「消費税減税研究会」立ち上げ報道にあたって – 馬淵澄夫 公式サイト

ごく当たり前に、国民の生活を考えてくれていることがハッキリと読み取れますね。

逢坂氏・蓮舫氏からの牽制球

国民の暮らしを第一に考え、しかも野党共闘の結節点 ~ 政権交代を見据えたこの超党派の動き。しかしながら、立憲執行部はブレーキをかけます。

「なぜ野党が政権交代にたどり着かなかったのかを考えると経済政策が甘い。消費税は廃止という考えだが、5%で力を合わせられないか話し合いたい」山本氏は会合でこう述べ、消費税減税を野党結集の結節点としたい考えを強調した。

馬淵氏も「野党が結集していく軸として、消費税減税を次期衆院選に向けた大きな公約とすべく議論したい」と設立の意義を説明した。

会合には落選中の野党系元議員ら40人弱が出席した。現職議員は22人が出席したが、立民からは、山本氏の消費税廃止論に同調する石垣のりこ参院議員ら3人にとどまった。

背景には党執行部の締め付けがある。25日には逢坂誠二政調会長と蓮舫参院幹事長の連名で、他党や他会派が主催する勉強会などへの参加を党の許可制とすることを通達した。

2019/10/30 れいわの勢力拡大に怯える立民「消費税減税研究会」への参加警戒 – 産経新聞

牽制の効果は抜群! スタート時、立憲現役議員の参加はわずか3名にとどまりました。9

とはいえ、正しいものを正しいと感じる心の奥底にまでブレーキは掛けられないでしょう。結果、この「消費税減税研究会」に賛同・参加した議員10は少なくありません。

また同会への参加はなくとも、(2024年の立憲党首選での江田氏・吉田氏の顛末11や、そして枝野氏が放ってしまった、減税派は党を出ていけという旨の発言に象徴されるように)本心では減税を望む「隠れ減税派」立憲議員が増えていたことは否めないようです。

二木「執行部を気にして出てこなかったという、隠れ減税派の人。聞くのがいいかどうかわからないけど、枝野さんが『減税ポピュリズムの人たちは党を出て新しい党をつくれ』と言ったという。こんなこと言うか、と思ったんですけど江田さんはどうとらえました?」

江田「ニュースを見て目と耳を疑いましたね。我が党は立憲主義や民主主義を冠する政党です。だから枝野さんの発言は、たとえば党内民主主義、党内手続きを経てしっかり党の決議をとるという主義、もちろん言論の自由、政策提言の自由なども否定していますから」

2025/4/28 江田憲司議員に聞く、「立憲民主党が消費税減税に舵を切った理由」- 文化放送

いち有権者としては、江田さんの言うことに理があるように思えます。

隠れ山本太郎ファン

元立憲・現れいわ:高井たかし幹事長曰く「国会議員には『隠れ太郎ファン』が沢山いる」

信念か、保身か

何よりもまず、国民の生活のため。そして政界再編を見据えて野党協力の道を提案しつつ、客観的なデータと分析に基づき、真正面から正論を展開する山本太郎さん。その姿に、党派を超えて心動かされる議員、元議員たち。

しかしながら、(立憲民主党に在籍する限り)現実としては、執行部に睨まれたら公認をもらえなくなる ・・・ つまり、「隠れ減税派」各位が心の声に従った行動を起こすことは、自らの党員・議員としての立場を危うくすることと同義。ジレンマ。

これこそが、阪口氏の言う「立憲議員の忸怩たる思い」でしょう。

サラリーマンで言えば、社長や幹部の方針に異論があっても、社内的立場や家族の生活を鑑みて「グッと堪えて」「正論を飲み込んで」従わざるを得ない。自分自身が出世し、偉くなるまで我慢するしか ── そう考えると理解しやすいかもしれません。

ただ、サラリーマンと政治家ではワケが違います。

政治家は、自らの地位・議席のためではなく、国民の生活を第一に考えて動いてほしい。動くべきである。そうは思いませんか?

正論を押さえつけてしまう政治家、正論を飲み込んでしまう政治家、保身を優先する政治家だらけだったからこそ、今の日本の窮状、失われた20年・30年がもたらされたのではないでしょうか。

つじ恵、山本太郎が繰り返し訴えるように、この国の主人公は・オーナーは、私たち国民です。国民の声を代弁するからこそ、国会議員のことを「代議士」と呼ぶのでしょう。

どっちを向いて政治家を・代議士をやっているのか。投票における判断指標ではないでしょうか。

知るほどに対照的

─── 以上、2025参院選の争点のひとつになっている「消費税減税/廃止」を軸に、内外の情報を連ね、民主党/立憲民主党出身者の証言を切り口に、少々深堀りをしてみました。

「減税」に対するスタンスの違い、一貫性の違いが、改めて明快になったように思います。知るほどに対照的ですね。

中日新聞アンケート

参考まで、2025/6/29 付 中日新聞に掲載されていたアンケートを付します。

これによると、立憲民主党の候補者の80%が消費税引き下げに賛成となっています。

(さて復習です)

  • 野田佳彦内閣(2011~2012年)のもと、消費税を5%→8%→10%へと段階的に引き上げる消費税増税法案を可決。公約違反、国民の期待を裏切ったという事実。
  • 2021年衆院選時、消費税5%への減税を旗印に野党共闘が実現。しかし選挙後に枝野氏が「消費減税を言ったのは間違いであった」旨を述べた事実。
  • 2025年4月12日、枝野氏による「減税ポピュリズムに走りたい人は、別の党をつくればいい」、他党の減税論を「参院選目当てとしかいいようがない」旨の発言。
  • そして参院選直前には、立憲も(限定的とはいえ)消費税減税を公約に。

一貫性がなくブレブレ。こういった経緯・実績からすると、果たして公約が守られるのか、あるいは選挙前のリップサービスに終わるのか ・・・ 判断は有権者に委ねられます。

つじ恵を、れいわ新選組を

辻恵も、山本太郎も、首尾一貫しておりブレていません。国民の生活を第一に考え、声なき声を拾い上げ、困っている人を助けるべく信念を貫く ─── 政治に携わる者、政治をウォッチしている者なら誰もが認めるところでしょう。

2025-05-18 名古屋駅 ゲリラ街宣 山本太郎・つじ恵

─── 2025参院選を前に、各党がこぞって「れいわの政策を真似るように」消費税減税、積極財政を唱えている現実があります。やっと時代が追いついてきたのではないでしょうか。

愛知県内の皆様!

あなたの一票を、是非つじ恵に!

なお、本稿では消費税の話に終始してしますが、つじ恵の政策はこれにとどまりません。つじ恵を国会に送ることで、政治腐敗を根本から一掃することが出来る可能性がグッと高まります。

是非「政策」「プロフィール」もご覧ください!

長文・乱文ご精読、誠にありがとうございました。

2025/7/9 (水)
つじ恵ボランティアスタッフ

  1. 減税派は立憲民主党から出て行け? 枝野幸男氏の批判がガチすぎる 「消費税」めぐりカオスな与野党の状況 – 東京新聞 ↩︎
  2. 野田政権:消費税増税法が成立-実行になお残る政治リスク – Bloomberg ↩︎
  3. ファーストペンギンとは – 日本の人事部 ↩︎
  4. 野党4党、脱原発や消費税減税で政策合意 – 日本経済新聞 ↩︎
  5. 消費減税の訴え「間違いだった」立憲・枝野氏、公約見直しに言及 – 朝日新聞 ↩︎
  6. 「この衆院選、私たちは野党共闘という形で参加することにしました」れいわ新選組・山本太郎 – #れいわmemo ↩︎
  7. 安易な消費減税に反対 連合会長、立国けん制 – 時事通信 ↩︎
  8. 「消費税減税研究会」立ち上げ報道にあたって – 馬淵澄夫 公式サイト ↩︎
  9. れいわの勢力拡大に怯える立民 「消費税減税研究会」への参加警戒 – 産経新聞 ↩︎
  10. 消費税減税研究会 – Wikipedia ↩︎
  11. 【立憲代表選】締め切り30分前の攻防ドキュメント 4人目は江田氏か吉田氏か…告示日ギリギリですべり込み 候補者「1本化」の瞬間 – MBS NEWS ↩︎